何十年も選ばれ続ける理由:海外の"暮らしの相棒"ブランド3選
今の暮らしの中にある道具のほとんどは、数年もすれば買い替えの対象になる。でも中には、何十年も同じ形のまま、同じ会社が作り続けている道具がある。今回はそんな"長く使われる理由"がはっきりしている3つのブランドを紹介したい。共通しているのは、機能だけでなく背景にあるストーリーごと選ばれている、という点だ。
Lodge — 使うたびに"育っていく"鉄フライパン
1896年、テネシー州の小さな町でLodge社は生まれた。以来120年以上、今も家族経営を続けながら鋳鉄調理器具を作り続けている。この会社の看板商品であるスキレットが面白いのは、買った瞬間が完成形ではないところだ。使うたびに油をなじませる"シーズニング"という手入れを重ねることで、表面が少しずつ焦げ付きにくくなり、5年後・10年後の方が使いやすくなっていく。壊れたら終わりの道具ではなく、手をかけた分だけ応えてくれる道具というのは、使い捨てが当たり前になった今だからこそ新鮮に映るかもしれない。キャンプの焚き火にかけても、オーブンにそのまま入れても平気な頑丈さも含めて、"一生モノ"という言葉がそのまま当てはまる数少ない台所道具のひとつだ。
Duke Cannon — 硬派なユーモアの裏にある、退役軍人支援
Duke Cannonは2011年創業とブランドとしては比較的若いが、コンセプトの元ネタは古い。朝鮮戦争時代に米軍で配給されていた石鹸を再現し、通常の3倍サイズの"レンガ"型に仕上げた男性用ボディソープが看板商品だ。パッケージには軍隊調のイラストと自虐混じりのユーモアが並び、アメリカ的な"男らしさ"を茶化しながら製品コンセプトにしてしまっている点が独特。それでいて、売上の一部は退役軍人支援団体への寄付に回っており、ジョーク半分・実用半分のパッケージの奥に、きちんとした社会貢献の仕組みが組み込まれている。ネタとしても贈りやすく、贈った後に背景を話すとちょっとした会話のきっかけになるタイプのギフトだ。
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Mrs. Meyer's — 母の庭の香りを、洗剤に閉じ込める
1999年創業のMrs. Meyer's Clean Dayは、創業者Monica Nassifが母Thelmaの庭からインスピレーションを得て立ち上げたブランドだ。掃除用品につきものの漂白剤の匂いではなく、レモンバーベナやゼラニウムといった植物由来の香りを組み合わせるという発想は、当時としては珍しかったという。今回紹介するレモンバーベナの食器用洗剤も、生分解性・動物実験なしを掲げながら、香りの心地よさで毎日の家事を少し楽しくする方向に振り切っている。機能一辺倒になりがちな家庭用洗剤の中で、アメリカ郊外のガーデニング文化をそのまま製品に持ち込んだような、ちょっと変わり種のブランドだ。
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3つに共通していること
鋳鉄フライパン、石鹸、食器用洗剤。ジャンルはバラバラだが、3つとも「効率だけを追求していない」という共通点がある。手入れの手間、ユーモア、香りへのこだわり——本来は削ってコストダウンできる部分に、あえて時間や個性を残している。長く使われ続けているブランドには、たいていこの手の"無駄に見えて実は効いている部分"があるように思う。
他にも世界の掘り出し物では、アメリカ・ヨーロッパ・オセアニアなど各国の定番品を紹介している。気になる方は世界の掘り出し物の一覧ページもあわせてどうぞ。