知る人ぞ知る"国民食":日本ではまだ無名な海外の定番の味3選
その国では老若男女が当たり前に食べているのに、日本にはまだほとんど入ってきていない食品がある。今回はイギリスとオーストラリアから、現地では"国民食"と呼べるレベルで定着している3つを紹介したい。どれも日本のスーパーではまず見かけないので、味の面でも話のネタとしても新鮮なはずだ。
Marmite — 好きか嫌いか、イギリス人を二分する国民的ペースト
1902年創業のMarmiteは、ビール醸造の副産物である酵母を原料にした濃厚な黒いペーストで、パンやトーストに薄く塗って食べるのがイギリスの定番の朝食スタイルのひとつだ。製造拠点は今もイングランド中部バートン・アポン・トレントの工場で、ビール産業が盛んな土地柄と結びついた成り立ちを持つ。強い塩味と独特の風味から「Love it or hate it(好きか嫌いかのどちらか)」というキャッチコピーで長年広告展開されており、イギリス人の間でも評価が真っ二つに割れる存在として知られている。日本ではまだあまり流通しておらず、味の想像がつかないからこそ一度試してみる価値があるタイプの食品だ。
Tim Tam — 「Tim Tam Slam」で親しまれるオーストラリアの国民的ビスケット
1964年にオーストラリアの菓子メーカーArnott's(1865年ニューカッスル創業)から発売されたチョコレートビスケット。2枚のビスケットでチョコレートクリームを挟み、外側を薄いチョコレートでコーティングした構造が特徴だ。オーストラリアで定番の食べ方として知られるのが「Tim Tam Slam」で、両端を少しかじって片方を口にくわえ、もう片方をホットドリンクに浸してストローのように吸い込むというもの。SNSでもこの食べ方を紹介する動画がたびたび話題になっており、味だけでなく"体験"としても楽しめるお菓子になっている。
Yorkshire Tea — イギリスで1日1000万杯飲まれる家族経営ブランドの紅茶
1886年創業のTaylors of Harrogateが1977年に発売した紅茶ブランドで、今も同族経営を続けている。イギリスでは「ビルダーズティー(builder's tea)」と呼ばれる、濃く淹れてミルクをたっぷり加える飲み方が労働者階級の休憩文化として根づいており、Yorkshire Teaはその代表格として日常的に飲まれている。ブランド全体で英国内で1日あたり1000万杯が消費されているとされ、スーパーの棚でも定番の存在だ。紅茶といえば優雅なアフタヌーンティーのイメージが先行しがちだが、こちらはもっと生活に密着した"普段使いの一杯"としての紅茶文化を伝えてくれる。
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3つに共通していること
クセの強いペースト、変わった食べ方のビスケット、庶民的な紅茶。3つとも上品さより「その国の日常に根づいているかどうか」で選ばれている食品だ。日本で人気の海外グルメというと、どうしてもおしゃれなカフェ文化やスイーツが注目されがちだが、こういう"普段使いの国民食"にこそ、その国らしさが色濃く出るように思う。
他にも世界の掘り出し物では、暮らしの道具やアウトドア用品まで、各国の定番品を紹介している。気になる方は世界の掘り出し物の一覧ページもあわせてどうぞ。